雑感
なんだか疲れたなぁ~と思いつつ、テレビをぼんやり見ていた。
佐野元春のザ・ソングライターズという番組でゲストは鈴木慶一。
お二人とも随分、歳をとっておじいさんになっていたのでびっくりした。
鈴木慶一氏は、白髪のやわらちゃん…大学教授風味みたいになっていた。
鈴木慶一氏が「人から言われてかちんとくる言葉は?」という質問に
「あなたの音楽は昔よく聴いていました」と言われる事と返事してましたが
まさに、私も昔は…な人のひとりかも(笑)
私は、詩のついた音楽は20歳を境に聴かなくなりましたが…。
そんな事はさておき、この番組の中で、大学生のオーディエンスと
佐野・鈴木氏のやり取りが非常に面白くて、惹き付けられた。
学生達が5001年という題名で詩を書くというワークショップもあり
面白そう!と画面に惹き付けられる。
私は、5001年というものがあるとしたら、
この世の中は、人間は概念だけの(非物質)ものになってるかも…
と想像してみた。
どうしてか?詳しく書き出すと、朝までかかるから、やめておく。
次にある学生が鈴木氏に「あなたは何故音楽をやっているのですか?」
とか質問をするコーナーがある。
それに対して鈴木氏は「まずは音楽をやりたいから、次にそれで飯がくえるから。
最後に音楽で思想を伝えられる、何か出来そうかもと思うから」というような事を
答える。
佐野氏は、「欲望」だと。
「創作というのは欲望。理屈よりも欲望が先行する」と。
そうなんだよね。と私も思う。
まずは、「こうしたい!」という思いがある。
他にもこうしたい!とかしなければいけない!とかもあるんだけれども
最終的に残るものがある。
その想いが人を動かすし、人生を導く。
こう言うと、家の親戚のおばさん達からは総攻撃くらいそうだけれども
[親の敷いたレール通りを進む子供がいい子で、そうでない自我の強い
私は、我が侭で破天荒などうしようもない子だと思われていた。]
結果がどうであれ、未来が見えなくても、「こうしたい!」は
特に若い頃の自分の全てだったようにも思える程、重要な核だった。
実際従姉妹達は、親のいいなりの学校に進み、縁故で就職し
親の決めた相手とお見合いして結婚し、お金持ちの奥様で幸せに
暮らしている。それが出来る人生、あっている人生も否定はしない。
鈴木氏いわく
コクトーが言った 美よりも早く走る というのがある。
美よりも早く走るということは自分が作ったものより早く走るってこと。
これはとても好きな言葉だね」
これも素敵な言葉。ジャン・コクトーは中学高校の図書館に
分厚い全集があって、私の愛読書のひとつだった。
ドローウィングも素敵。
このコクトーの言葉に感銘を受けたという学生が語っていた。
「今の時代、ニーズが先にあって、それに対して物を創るのだと
思っていたけど、一歩ニーズの先を行って、ニーズを超える
提案をするという考えもあるんだなぁって思った」と。
そうそう!これが実に大事なのよ。と思う。
ただ、ニーズにあうだけのものを創るだけならいろんな職業は
なくなるだろうし。ニーズだけに焦点を当てた世界なんて
とてもつまらないし、新しいよい発明もなくなるだろう。
時代の変化の速度はどんどん速まっていて、
ももが成人する頃の世界がどうなっているか?
予想をするのも難しくなってきていると感じる。
ただ、ももが診断されてからずっと一環して考えている
事は、詰まるところ自分の事は自分でなんだろうと
そういう時代になりつつあり、どんどん状況は悪化していくだろうと
そう予想しています。
これは過度な悲観ではないのです。冷静な予想です。
この就職難の時代に、より高度なスキルを求められる時代に
グローバル化が進み、日本という国が衰退していく時代に
何故、やりたいという気持ち が大事なのか?
頭がおかしいんじゃないのか?と思われるかもしれません。
逆にそういう時代だからこそ、自分がないと大変だろうなぁとか
やりたいという欲望が気持ちを大事に育てる事が、大事な気がします。
残してやれるものもそんなにないしねぇ。
それが変化の大きい、その速度も速い時代の最大のサバイバルスキル
でありえる気さえします。
ただでさえ淘汰されやすいももが生き残これる為にはと、考えない日は
ありません。
今を楽しもうと思いつつも、どうしてもそこに行き着いてしまう。
もしかしたら、後数年で、雇用の根本的な考えも変化するのかも
しれないなぁとも思うし。
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