たいせつなもの
娘が成長したら渡したいと思っている絵本があります。
なにげなく手にとって、心を奪われました。
日々慌ただしく生きているとうっかり忘れてしまうたいせつなことを
気付かせてもらったような気がしました。
子供向けというよりは、大人にこそ必要なそんな絵本だと思います。
この世のありとあらゆるものには存在する意味がある。
スプーンからはじまるその問いかけは、とても自然で
心地よい音楽を聴くように心にすぅ~っと入ってきます。
スプーンのいろんな側面をひとつづつ書きながら、スプーンの本質は「スプーンを
使うと上手く食べれること」と結ばれている。
そんなかんじで、空やりんごや雪やいろんなものが書かれて、
最後、あなたにとって たいせつなのは「あなたがあなたであること」と
読者へのメッセージでしめられています。
と同時に、「そらにとってたいせつなのは いつもそこにあるということ」
という答えのように、普段、何も考えずに当たり前だと思っている
すべての事に意味があり、必然性があると書かれています。
「あなたがあなたであること」
生きることが少しだけ楽になるような、そんな言葉。
現代では、ありのままの自分でいる事は強くなくては
なかなか出来ません。
社会という枠の中に入ると、正しくないと思う事も、呑み込まなきゃ
いけないし、時に嫌でも自分をその枠にはめこまなくてはやり過ごせない
時も多くあります。
自分の核(信念)を守りながら、生きるという事は、決して容易ではありません。
時に、自分は間違っているのではないかと孤独になったりするかもしれません。
そんな風に感じた時に、読んで欲しい絵本です。
「あなたは、あなたのままでいいんだよ」と言ってあげたいと思います。
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